全人類はピアとなれるか?講義に参加してみて

お洋服は基本的ピンク色。林●●ーさんではなく、YPSではこの方です・・・

 「YPS横浜ピアスタッフ協会を研究してみたい!」というなんとも前衛的な大学生、横山さん!です!

 昨年秋頃、その研究が形になったと報告を受けまして、その後、何度か横山さんとお話をさせてもらう度に、興味がわくわく~。研究の結果、YPSにいると「どうでもいい」と思える、そんなパワーワードが気になって仕方ありませんでした。

 さてこの「どうでもいい」がどういうことなのか、改めて知るチャンス、横山さんの連続2回講義「全人類は『ピア』となれるのか?:深い共感と『ピア』について考える」に参加しました。

「共感する」って胡散臭い。

 というお話をまずはたっぷり聞いたあとに、「YPSのピア化の過程」、というYPSの熱気を分析し仕組みを解説した、いわば研究の大黒柱を説明してもらいました。とてもオサレな図もセットで示され、まるで意識高い系の学生さん(?)みたいですね。実際のところは、ぜひ、ご本人とお話ししてみて感じてください。

横山さんによるYPS研究の講義レジュメ

YPSにだいぶ浸かってしまっている筆者MZMは、YPSピア化の過程の解説を聞いて、とても良く調べられてまとまっているなという印象を受けました。でも、YPSを知らない人に、この説明で、YPSのカオスな雰囲気のイメージ持てるのかしら?とも疑問に思いました。

 そして初回の講義では、次回講義の宿題がでました。ポイントは「ピアとはなにか?」「ピアになれるのか?」という点について自分なりに考えてくるということ。

 MZMは、日々のホームページ更新作業の中で、「YPSをわかりやすく伝えたいのに、なんだか伝わりにくい!」という課題に絡めて、「YPSのわかりにくさ、ピアのわかりにくさ、当事者のわかりにくさ」みたいなのを考えました。

 そして翌週の最終回講義では、参加者20名ほどが3グループに分かれて、二回話し合いをして全体共有という流れでした。

 そこでは、YPSについて「(良いと思っているものでも)押し付けたら意味がないよ」、「言葉にできない良さがあるし、言葉に出来ちゃったら、なんかね(良さが終わりそう…)」といった話し合いがなされました。そして「ピアって(辞書的に)仲間でしょ?私はー仲間だー!・・・あれ?ちがう?」というある人の発言を発端に、「ピアは自己申告制なのか?」「関わってくれるなら行政もピアじゃないのか?」「両想いピアになるための片思いピア」と発言だけ抜き出してコラムにすると、まさにカオスなディスカッションになりました。ピアスタッフというと、精神福祉業界では病気のある当事者スタッフと理解されますが、そういう括りでいいのでしょうかということですね。

横山さんによるYPS研究の講義ホワイトボード

最後に横山さんからのまとめ。最初から「どうでもいい」という投げやりな気持ちではなく「とても大事な存在である」を色々考えた末「どうでもいい」という楽な境地に至るところがYPSです。ある人の分からない引き出しがあってもそれでいい、どうでもいい・・・と締めくくられました。

(例えるなら、最初は好意をもって片思いしている相手を、お祭りに誘ったり、安全な場所だよと分かってもらったりしながら両想いになり、最終的にどうでもいいなと思える夫婦になる。ということ)

※例えは、レジュメ図の①②③④⑤のプロセスを分かりやすく擬人化しただけです。

 みなさんは、ピアをどう捉えますか?すくなからずや、このホームページをご覧のみなさんは、YPSにご関心があると思います。「好き」の反対語は「嫌い」でなく「無関心」であるという話は巷では有名ですね。ピアが今後どうなるのか、ますます気になります。

 横山さん、ありがとうございました。

以上、参加レポートでした。

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